幹事様必見!ホテル宴会担当が教える
食品ロス削減と美味しく楽しむ宴会の進め方完全ガイド
今回はホテル宴会担当の視点から、主にビュッフェ形式のパーティーでの食品ロス削減を実現し、参加者全員が最後まで美味しく楽しめる具体的なテクニックをご紹介いたします。幹事様必見です!
はじめに
なぜ今、宴会での食品ロス対策が重要なのか
日本の食品ロスの約12%が宴会に起因していると言われています。特に取引先との会食や企業が主催する宴会では、過度な接待意識から必要以上の料理を注文してしまう傾向があります。しかし近年のSDGsへの関心の高まりにより、食品ロス削減に対する企業や参加者の意識が一層高まっています。
本稿では、宴会運営の各段階において食品ロスを効果的に削減するための具体的な取り組みをご紹介します。まずは事前準備における参加者の把握や最適なメニュー選定のポイント、そして当日の運営での工夫に焦点を当て、実際の事例や成功の秘訣を詳しく解説していきます。
宴会成功に向けた準備と実施のポイント
1. 事前準備段階での重要ポイント
参加者の把握と調整
- 出欠確認の際、食事制限の有無を把握
- 会場へ食事制限への対応範囲の確認
食物アレルギーはもちろん、ヴィーガンやハラールなど各種食事制限に柔軟に対応することで、すべての参加者に安心して楽しんでいただける環境を整えます。
メニュー選定のコツ
- 宴席スタイルと時間帯に合わせた料理選び
同じビュッフェ料理でも立食スタイルと着席スタイルとでは、着席の方がお料理を多めに盛る傾向があります。着席スタイルで人数に対してお料理を減らし過ぎると、料理台は空っぽ、各テーブルにはお皿に盛りつけたまま食べられることの無いお料理が・・・・なんて事も。 - 参加者層に応じた量とポーション設定
会場レイアウトの工夫
- 見渡しやすいテーブル配置
特に100名以上のパーティーは会場が広く、どこにどのようなお料理があるのか把握するのは難しくなります。料理が見渡せ、参加者がスムーズに取りに行けるようなレイアウトを提案してもらいましょう。 - 見やすいメニュー表示
料理の説明を表示することで、参加者が料理内容を把握しやすくなります。 - お料理台上の配置と工夫
取り皿の配置や、お料理の並び順を工夫することで、人の流れがスムーズになり、宴会の進行を円滑にします。
2. 当日の運営テクニック
開始時の効果的な案内
▼効果的な開始時の声かけで参加者の期待感を高める。
宴会開始時の効果的な声かけは、参加者の期待感を高めるために非常に重要です。
たとえば、以下のような挨拶で宴会の雰囲気を盛り上げるのはいかがでしょうか。
例:「本日は特別メニューをご用意しております。どうぞ最後まで存分にお楽しみください」
進行中の工夫
- ドリンク提供のタイミング
- 挨拶の人数が多いなど、乾杯まで15分以上見込まれる場合は、入場時にウェルカムドリンクとしてお飲物を提供すると良いでしょう。
- 乾杯直後
宴会中に料理や提供するサービスにまつわる情報をアナウンスすることで、参加者の興味を引きつける効果があります。- 司会者による、お料理や用意されているドリンクアイテムの案内をしても良いでしょう。
- さりげない声かけ例
- 「デザートとコーヒーもご用意しております。」
後半にデザートが提供されるパーティーで有効な一言です。
- 「デザートとコーヒーもご用意しております。」
- その他 3010運動を進行に組み込む事で、名刺交換などでタイミングを逃している方々の食事のきっかけが生まれます。

食品ロス削減のための効果的なコミュニケーション
1. ポジティブな表現の使用
食品ロス削減を実現するためには、参加者に対して前向きなメッセージを伝えることが重要です。ここでは、避けるべき表現と推奨される表現の具体例をご紹介します。
❌避けるべき表現(無理強いする言い回しは避ける)
- 「残さず食べましょう」
- 「もったいないです」
- 「全部召し上がってください」
⭕推奨される表現
- 「最後まで美味しく楽しみましょう」
- 「〇〇(会場名)の自慢の一品です」
- 「ビュッフェですので、お好きなものをお好みの量でお召し上がりください」
推奨される表現は参加者にリラックスして料理を楽しんでもらえるよう配慮した言い回しです。このような前向きな言葉により、食品ロス削減への取り組みが自然な形で実現され、参加者の満足度もアップします。

食品ロス削減に向けた新しい取り組み:mottECO(モッテコ)
mottECOとは
mottECOは、環境省が推進する食品ロス削減の新たな取り組みです。食べきれないお料理を気軽に持ち帰られるよう、従来「ドギーパッグ」と呼ばれていた持ち帰り容器を、より前向きなイメージの「mottECO」として普及を進めています。この取り組みは、宴会参加者が気軽にお料理を持ち帰る環境を提供し、食品ロス削減への意識向上を目指しています。
「mottECO」の詳細
導入のメリット
- 食品ロス削減効果
- 食べ切れなかった料理の有効活用
mottECOを活用することで、残った料理を積極的に持ち帰り、ご自宅で召し上がってもらうことで、食品ロスの削減が実現します。 - 環境負荷の低減
食品ロスが減少により、廃棄物の処理負荷が軽減され、環境保全に寄与します。 - 企業・団体のSDGs活動としてのアピール
mottECO対象飲食店を会場として選ぶ事は、その企業や団体がSDGsに沿った環境対策や食品ロス削減に積極的に取り組んでいることをアピールできるポイントになります。
- 食べ切れなかった料理の有効活用
- 参加者への配慮
- 無理な完食の回避
食事量や体調に応じた柔軟な対応が可能となり、参加者が無理に完食しなければならないプレッシャーを軽減します。 - お気に入りの料理を自宅でも楽しめる
参加者は、自分のペースで料理を楽しむことができ、特にお気に入りの料理を持ち帰り、自宅で再度味わうことができます。
- 無理な完食の回避
mottECO実施のポイント
- 事前準備
- mottECO対応飲食店の確認
- 持ち帰り可能な料理の確認
- 容器の料金の確認
- 衛生管理などの注意事項の確認
- 当日の案内
- 宴会終了間際でのmottECOの趣旨を含めた案内
- 適切なタイミングでの声かけ
- 衛生管理の説明
- 容器の準備と配布
mottECO利用促進の声かけ例
- 「お持ち帰り用の容器をご用意しております」
- 「ご自宅でもお楽しみいただけます」
- 「環境に優しい取り組みにご協力ください」
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リスク管理と注意点
1. 食品衛生への配慮
- 持ち帰り可能メニューの明確化
- 適切な温度管理の案内
- 消費推奨時間の明示
2. アレルギー対応
- 成分表示の徹底
- 交差汚染への注意
- 個別包装
まとめ:宴会成功の7つのポイント
- 正確な参加者把握と出欠確認
- 多様な食事制限(アレルギー、ヴィーガン、ハラール等)の確認
- 時間配分を考慮した進行
- 効果的なタイムマネジメントとポジティブな声かけ
- 料理の魅力を伝えるストーリーテリング
- mottECOの活用による食品ロス削減
- 徹底した衛生管理とリスク対策
宴会は、単なる食事会ではなく、企業や団体のイメージ向上やSDGs推進の一環としても大変重要なイベントです。多様な参加者に配慮しながら、皆さんが美味しく安心して楽しめる宴会運営を実現しましょう。
実践のためのチェックリスト
開催前
- □ 参加人数の確認
- □ 食事制限(アレルギー・ヴィーガン・ハラール等)の確認
- □ メニューの最終確認
- □ mottECO対応の確認
- □ 進行表の作成
開催当日
- □ 会場レイアウトの確認
- □ スタッフとの打ち合わせ
- □ タイムスケジュールの確認
- □ mottECO容器の準備
終了後
- □ 残食量の確認
- □ 参加者からのフィードバック収集
※本記事は2025年2月現在の情報に基づいています。